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制震ダンパーMIRAIEとは?繰り返す余震に強い理由

2026.08.22

制震ダンパーMIRAIEとは?繰り返す余震に強い理由

EARTHQUAKE RESILIENCE / EHIME

制震ダンパーMIRAIEとは?
繰り返す余震に強い理由

耐震で建物を支え、制震で揺れのエネルギーを吸収する。愛媛の実際の施工現場から、MIRAIEの役割と選ぶ前の確認点を分かりやすく解説します。

先に結論

MIRAIE(ミライエ)は、住友ゴム工業の高減衰ゴムを使い、地震の振動エネルギーを熱へ変換して吸収する木造住宅用制震ダンパーです。高減衰ゴムが繰り返し伸縮してエネルギーを吸収すること、基礎と緊結して揺れを受けること、実物大の繰り返し加振で確認されていることが、余震への備えにつながります。ただし、耐震構造の代わりではなく、適切な構造設計と施工を前提に組み合わせる設備です。

本記事では「MIRAIE」をシリーズの総称として扱います。実験値はMIRAIE Σの結果であり、当社現場写真の採用品や他世代へ同じ数値をそのまま適用できるものではありません。

MIRAIEは、家の中で何をしている?

地震で地面が動くと、基礎から建物へ揺れが伝わります。MIRAIEは1階の木造軸組へ組み込み、建物が変形しようとする力を高減衰ゴムへ伝えます。高減衰ゴムは運動エネルギーを熱エネルギーへ変え、揺れ幅と構造体の損傷を抑えることを目指します。

愛媛のダイヤホーム建築現場で木造軸組に設置した制震ダンパーMIRAIE
ダイヤホームの実際の建築現場。仕上げで隠れる前のMIRAIEを正面から確認できます。
耐震柱・梁・耐力壁などで地震力に抵抗し、建物が倒壊しにくい骨格をつくります。
制震ダンパーが揺れのエネルギーを吸収し、建物の変形や損傷軽減を図ります。
組み合わせ耐震を基本に、繰り返す揺れへの備えとして制震を重ねる考え方です。

繰り返す余震に強いといわれる3つの理由

1.高減衰ゴムが繰り返し変形できる

高減衰ゴムは、繰り返し伸び縮みしながら振動エネルギーを熱へ変換して吸収します。この特性が、1回目の大きな揺れのあとに続く地震への備えにつながります。

2.基礎と緊結し、揺れを効率よく受ける

MIRAIEは基礎と木造軸組をつなぐ位置に設置されます。建物へ入力された力をダンパーへ伝えるには、製品だけでなく基礎、金物、周辺の柱・梁まで含めた施工精度が重要です。

3.実物大の繰り返し加振で確認されている

2024年12月のMIRAIE Σの実験では、令和6年能登半島地震の際に珠洲市で観測された震度6強相当の地震波を繰り返し入力し、10回目まで揺れに耐え、耐震のみの試験体Aと比べて揺れ幅を61%低減したと公表されています。

木造フレームの繰り返す揺れを制震ダンパーが吸収する仕組みのイメージ
高減衰ゴムが繰り返す揺れのエネルギーを吸収する概念図。実製品の形状を示す図ではありません。※AIによるイメージです。

この結果はMIRAIE Σと当該試験体・入力地震波・設置条件によるものです。当社現場写真の採用品や他世代を含む、すべての住宅で同じ低減率や無被害を保証するものではありません。

なぜ「最初の1回」だけでは足りないのか

地震本部によると、余震は本震直後に多く、時間とともに減る傾向がありますが、一時的に活発化したり、本震に近い規模になったりすることもあります。2016年熊本地震では、益城町で4月14日と16日の2回、震度7が観測されました。建物は最初の揺れで接合部や壁に損傷を受けると、次の強い揺れに対する余力が小さくなる可能性があります。

地震後に木造住宅の室内を確認する家族のイメージ
制震は、構造体の損傷軽減を通じて地震後の暮らしを守るための備えです。※AIによるイメージです。

実際の建築現場では、配置と施工を見る

制震ダンパーは「付いているか」だけでなく、どの方向へ、どの位置に、何基配置するかが大切です。間取りの開口、耐力壁、柱・梁、基礎との関係を確認し、建物全体でバランスよく働くように計画します。

愛媛の木造住宅建築現場で複数箇所に配置した制震ダンパーMIRAIE
ダイヤホームの建築現場。複数箇所に配置されたMIRAIEと木造軸組の関係が分かります。
制震ダンパー採用時に確認したい内容
確認項目 チェックしたいこと
耐震計画 耐震等級、構造計算の方法、耐力壁と接合部の計画
製品・世代 MIRAIE、MIRAIE Σなど、実際の採用品と製品固有の根拠データ
配置 必要数、X・Y方向のバランス、間取りへの影響
施工 基礎緊結部、金物、周辺軸組、メーカー施工要領との一致
地震後 大地震後に誰へ連絡し、どこを点検するか

MIRAIEを検討する前に知っておきたいこと

耐震と制震は、どちらか一方ではない

耐震等級は建物が地震力に抵抗する骨格の指標です。制震ダンパーは、その骨格へ加わる揺れや変形を小さくする役割です。まず耐震計画を整え、そのうえで損傷軽減や繰り返す揺れへの備えを重ねる順番が分かりやすいでしょう。

設置数は「どの家も4基」と決めつけない

過去の公式資料には条件付きの標準設置数がありますが、建物の広さ、形状、積雪、間取り、製品世代で変わる可能性があります。見積書では商品名だけでなく、配置図と設計根拠まで確認してください。

90年という数字にも試験条件がある

メーカーは高減衰ゴムの経年耐久性90年を促進劣化試験で確認し、通常時は定期メンテナンス不要としています。これは実住宅で90年間の無損傷を保証する意味ではありません。大きな地震後に壁面や取付部周辺の損傷が見られた場合は、施工会社へ建物点検を相談しましょう。

注文住宅の図面で耐震と制震ダンパーの配置を相談する家族と設計担当者
耐震等級、間取り、制震配置、予算を同じ図面上で確認することが大切です。※AIによるイメージです。

よくある質問

MIRAIEを付ければ地震で家は壊れませんか?

無被害や倒壊しないことを保証する設備ではありません。地盤、地震波、建物条件、構造設計、施工によって結果は異なり、建物の変形や損傷を軽減するための技術です。

余震にも効果がありますか?

高減衰ゴムが繰り返し変形してエネルギーを吸収するため、繰り返す揺れに配慮されています。実大振動台による繰り返し加振でも性能確認が行われています。

耐震等級3なら不要ですか?

役割が異なります。耐震等級3を基本にしながら、揺れや損傷の軽減をさらに重視する場合に制震を組み合わせます。

平屋にも設置できますか?

木造軸組の平屋は公式の適用対象に含まれますが、間取りや構造条件によって採用できない場合があります。

費用はいくらですか?

製品、必要数、建物条件、工事内容で変わります。配置計画と採用品を確定した見積もりで確認してください。

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