耐震等級3とは?地震に強い家の条件をわかりやすく解説|愛媛の注文住宅
2026.09.07
「耐震等級3って言葉はよく聞くけれど、実際どれくらい強いの?」——南海トラフ地震への備えが身近な話題になるなか、家づくりを考え始めた方から必ずいただく質問です。等級という言葉が出てきたとたん、急に難しく感じてしまいますよね。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、耐震等級3の意味と「等級3の家は何が違うのか」を、国の現地調査データと実際の施工現場の写真をまじえて解説します。
耐震等級3とは、建築基準法が求める最低限の耐震性(等級1)の1.5倍の力に耐えられる最高等級のことです。熊本地震の現地調査では、耐震等級3の木造住宅16棟のうち14棟が無被害でした。ただし「等級3相当」と第三者の認定を受けた等級3は別物。ここを確認できるかどうかが、工務店選びの分かれ目になります。
01耐震等級とは?1・2・3の違いをわかりやすく
耐震等級は、国の住宅性能表示制度(品確法にもとづく制度)で定められた「構造躯体の倒壊等防止」のものさしです。1から3までの3段階で、数字が大きいほど地震に対する余力が大きくなります。
見落とされがちなのは、等級1が保証しているのは「倒壊しない」ことであって、「住み続けられる」ことではないという点です。命は守れても、柱や壁が大きく損傷して修復に多額の費用がかかる可能性は残ります。大地震のあとも同じ家で暮らしたいなら、「倒れない」ではなく「壊れにくい」を狙う——これが等級3を選ぶいちばんの理由です。
02熊本地震のデータが示した、等級3の実力
耐震等級3の価値を実際の地震で裏づけたのが、2016年の熊本地震でした。震度7が2度襲った益城町の中心部では、国の委員会と研究機関により、建物を一棟ずつ調べる悉皆(しっかい)調査が行われています。
1981年5月以前のいわゆる旧耐震基準の木造建築物は倒壊率28.2%。接合部の仕様などが明確化された2000年6月以降のものは2.2%でした。そしてそのなかでも耐震等級3を取得していた木造住宅16棟は、14棟が無被害、残る2棟も軽微または小破にとどまり、倒壊はゼロだったと報告されています。
もちろん16棟という母数は多くありません。「等級3なら絶対に無事」と言い切れるデータではなく、地盤の条件や揺れ方でも結果は変わります。それでも震度7が2度続く揺れに対して等級3の家が余力を残せたという事実は、これから建てる家の目標値を考えるうえで大きな意味を持っています。
03耐震等級3を支える4つの要素
では、耐震等級3の家は具体的に何が違うのでしょうか。「壁を厚くすればいい」という単純な話ではなく、次の4つがそろってはじめて成立します。
- ① 耐力壁の量/地震の水平力を受け止める壁が、床面積と建物の重さに見合うだけ入っているか
- ② 壁の配置バランス/耐力壁が建物の片側に偏っていないか。偏るとねじれるように壊れる
- ③ 床の水平構面/床が力を耐力壁まで伝える「面」として効いているか。吹き抜けが大きいほど注意が必要
- ④ 接合部の金物/柱や梁が引き抜かれないよう、金物で確実につながれているか

この4つの土台にあるのが基礎です。上部構造を強くしても、力を地面へ流す基礎と地盤が弱ければ性能は発揮できません(基礎の考え方は新人が躓いた建築用語|基礎工事編で写真つきに)。
そして大切なのは、これらが間取りを決める段階でほぼ決まってしまうということ。「大きな窓をたくさん」「壁のない広いLDK」といった要望は、耐力壁の量とバランスに直結します。プランが固まってから等級3を目指すと、後戻りが起きがちです。
04「等級3相当」と認定された等級3はどう違う?
住宅会社の資料で「耐震等級3相当」という表現を見かけたことはないでしょうか。この二文字は、大きな違いを表しています。
正式な耐震等級3は、登録住宅性能評価機関という第三者が図面と計算をチェックし、住宅性能評価書という書面で認定します。一方「相当」は住宅会社の自社判断による説明で、第三者のチェックも書面もありません。差が効いてくるのが地震保険の耐震等級割引です。等級3なら保険料が50%割引になりますが(等級2は30%、等級1は10%)、割引には評価書などの確認資料が求められ、「相当」では原則として使えません。
2025年4月の法改正で、前提そのものが変わった
もうひとつ知っておきたいのが、2025年4月施行の建築基準法改正です。従来は木造2階建ての多くが確認申請で構造関係規定の審査を省略できる「4号特例」の対象でしたが、これが縮小され、木造2階建ては構造の審査を受ける「新2号建築物」に位置づけられました。
あわせて必要な壁の量を求める基準も見直されています。断熱材の強化やトリプルガラス、太陽光パネルの搭載などで近年の家は以前より重くなっている——その実態に合わせ、建物の実際の重さから必要壁量を算定する考え方に改められました。高断熱・太陽光と耐震は、もう切り離せないテーマなのです。
なお法令上、木造2階建てに許容応力度計算(構造計算)が一律で必須になったわけではありません。仕様規定にもとづく確認でも適法です。ただし、より精密に安全性を確かめられるのは構造計算のほうです。
05平屋は地震に強い?家の形と間取りの話
「平屋は地震に強いと聞きました」——愛媛でもよくいただく質問です。答えは、平屋は構造的に有利になりやすいけれど、自動的に強いわけではない。


地震の力は建物の重さに比例して大きくなります。平屋は2階の床・壁・屋根の重さが乗らないぶん、そもそも受け止めるべき力が小さい。さらに重心が低く、上下階のずれによるねじれも起きません。これが平屋の構造的なアドバンテージです。
とはいえ平屋でも、大開口を並べて耐力壁が足りなくなれば話は別。熊本地震でも平屋の倒壊は起きています。逆に2階建てでも、凹凸の少ない整った形で1階と2階の壁の位置がそろっていれば等級3は十分に狙えます。強さを決めるのは階数より形とバランス——詳しくは平屋と2階建て、地震に強いのはどっち?もご覧ください。
DAIYAHOMEは在来軸組工法で家をつくっており、多くのお住まい(約8割)で耐震等級3を取得しています。ご予算やご要望で選択は変わるため「全棟等級3」とは申し上げませんが、等級3を基本の目標に据えてプランをご提案しています。
2階建てについては、法令上一律に求められているわけではありませんが、当社では許容応力度計算(構造計算)を実施しています。計算は専門の外部機関に依頼し、設計は社内の一級建築士が担当する体制です。断熱等級6を標準とし太陽光も8割以上のお住まいに搭載している当社にとって、「重くなった家」を構造で受け止めることは避けて通れないテーマだと考えています。
くり返す余震に備える制震ダンパーMIRAIEも、ご予算とご希望に応じて採用しています。地盤はスクリューウエイト貫入試験(SWS試験)で調査し、地盤保証20年をお付けしています(保証内容の詳細はご相談時にご説明します)。
施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。土地探しから設計・施工まで、大屋不動産株式会社の不動産事業部と住宅事業部が同じ会社の中で連携してご対応します。地盤が心配な土地かどうかも、土地選びの段階からご相談ください。
Qよくある質問
耐震等級3とは何ですか?
「耐震等級3相当」と耐震等級3は同じものですか?
耐震等級3にすると建築費はどれくらい上がりますか?
平屋なら耐震等級3は簡単に取れますか?
- 耐震等級3=建築基準法の最低基準(等級1)の1.5倍の力に耐える最高等級。消防署・警察署と同じ考え方の水準
- 等級1が守るのは「倒壊しない」まで。地震のあとも住み続けたいなら等級3が目標になる
- 熊本地震・益城町の調査では、耐震等級3の木造住宅16棟に倒壊はゼロ(14棟が無被害)
- 等級3は壁の量・配置バランス・床・接合部の4つで決まり、間取りの段階でほぼ勝負がつく
- 「等級3相当」と認定された等級3は別物。地震保険の割引にも評価書などの確認資料が必要