第一種熱交換換気システムとは?メリットと電気代|愛媛の注文住宅
2026.08.31
「うちの換気って、第一種? 第三種?」——打ち合わせで急に出てくる言葉に、正直ピンとこなかった方も多いのではないでしょうか。24時間まわり続ける設備なのに、間取りや外観に比べると、どうしても後回しになりがちな部分です。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、第一種熱交換換気システムの仕組みとメリット、そして気になる電気代を、法律の根拠とメーカーの公称値をもとにわかりやすく整理します。
第一種熱交換換気とは、給気も排気も機械で行い、捨てる空気の熱を回収して外気に移す換気方式です。冷たい外気・暑い外気がそのまま入ってこないので、換気の「不快さ」が小さくなります。電気代は消費電力1Wあたり年間およそ272円が目安。断熱・気密が高い家ほど、この方式が生きてきます。
01そもそも24時間換気は法律で義務|換気回数0.5回/hとは
まず前提から。2003年に施行された改正建築基準法のシックハウス対策により、住宅には原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備の設置が義務づけられています(国土交通省)。これが、よく聞く「24時間換気」の正体です。
換気回数0.5回/hとは、1時間あたりに部屋の空気の半分が入れ替わるペースのこと。建材だけでなく家具からも化学物質が出るため、建材を選んでいても換気設備は必要、という考え方です。つまり換気は「つけるかどうか」を選ぶ設備ではなく、どの方式にするかを選ぶ設備だということになります。

02第一種と第三種の違いは「給気を機械で行うかどうか」
住宅で採用されるのは、主に第一種換気と第三種換気の2つです。違いはとてもシンプルで、入ってくる空気(給気)を機械で送り込むかどうかだけ。排気はどちらも機械で行います。
第三種換気は構造がシンプルでコストを抑えやすく、住宅で最も広く使われてきた方式です。ただし給気口から外の空気がそのまま入ってくるため、冬は給気口のそばがひんやりし、夏は暑く湿った空気が入り込みます。換気量も風向きや気圧の影響を受けやすくなります。
いっぽう第一種換気は、給気側にもファンを持つぶん設備は複雑になりますが、天候に左右されず計画どおりの換気量を保ちやすいのが強みです。そして給気を機械で通すからこそ、次に説明する「熱交換」と「フィルター」が使えるようになります。
03熱交換の仕組み|捨てる熱を回収するという発想
熱交換換気は、外へ捨てる室内の空気と、取り込む外気を、熱交換素子の中ですれ違わせる装置です。空気そのものは混ざらないまま、熱(と機種によっては湿度)だけが移ります。冬なら、暖房で温めた空気の熱を、入ってくる冷たい外気に渡してから捨てる、というイメージです。
もうひとつ見逃せないのがフィルターです。給気を機械で通す第一種換気は、外気をフィルターに通してから室内へ届けられます。ただし標準のフィルターは虫や大きなホコリを想定したものが多く、花粉やPM2.5のような微細な粒子まで捉えたい場合は、対応するフィルターを選べる機種かどうかを確認しておくと安心です。
04電気代はいくら?1Wあたり年間約272円で計算する
「24時間まわりっぱなしなら、電気代が心配」——もっともな不安です。ただ、計算はとても簡単で、カタログの消費電力(W)さえ分かれば見積もれます。
1年は8,760時間。消費電力1Wの機器を1年間動かし続けると、1×8,760÷1,000=8.76kWhです。電気料金の目安単価は31円/kWh(税込/公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会が2022年7月に改定)なので、1Wあたり年間およそ272円。この数字を覚えておけば、機種を比べるときにそのまま使えます。
消費電力20Wの機種なら年間およそ5,400円、40Wならおよそ10,900円。ひと月あたりに直すと450〜900円ほどです。もちろん実際の金額は、運転風量や契約している電気料金プランによって変わります。
ここで大切なのは、この電気代と「熱交換で減る冷暖房の負荷」を天秤にかけて考えることです。冷暖房した空気の熱を捨てずに回収できるぶん、エアコンの働く量は小さくなります。どちらが有利かは家の断熱性能と地域の気候しだいなので、次章につながります。
05断熱・気密とセットで効く|換気は「家の呼吸」
換気の話は、気密(C値)と切り離せません。家にすき間が多いと、給気口以外のあちこちから空気が出入りしてしまい、設計した経路を空気が通らなくなるからです。せっかく熱交換ユニットを入れても、空気がそこを通らなければ意味がありません。


また、断熱性能を上げていくほど、壁や窓から逃げる熱は減っていきます。すると家全体の熱の出入りに占める「換気の割合」は、相対的に大きくなっていく。断熱等級6や7といった高断熱の家ほど、換気で熱を捨てない工夫の価値が上がる、というわけです。気密についてはC値0.5以下とは?すき間の少ない家が快適な理由、断熱の基準は断熱等級6とは?UA値0.46が暮らしをどう変えるかで詳しく解説しています。
湿気の観点も忘れられません。計画的な換気は、室内にこもる水蒸気を外へ運び出し、結露のリスクを下げる働きもします。あわせて【西条市の注文住宅】壁内結露とは?原因・対策と外壁通気層の仕組みもご覧ください。
DAIYAHOMEでは、第一種熱交換換気ならマーベックスの「澄家(すみか)」、第三種のダクト式なら「ルフロ400」——この2機種を基本に、お住まいごとに使い分けています。断熱等級6(UA値0.46以下)を標準とする断熱・気密性能と組み合わせ、換気の熱ロスを抑えながら家じゅうの空気を計画どおりに入れ替える設計です。
機種を絞っているのには、はっきりした理由があります。当社は基礎断熱を主に採用しているからです(ご要望に応じて床断熱もお選びいただけます)。基礎断熱の家では床下も室内と同じ空気環境になるため、床下(基礎内)まで含めて空気を動かす「基礎内換気」を徹底することが欠かせません。澄家は床下に本体を設置し、基礎内を換気経路に組み込める熱交換換気。ルフロ400は家全体の空気を1台で計画的に引き切るダクト式の排気ファンです。どちらも基礎内の空気を淀ませないことを軸に選んだ機種です。気密を重視する家づくりが広がるなかで、当社でも基礎断熱の比率は年々高まっています。

「窓を開けて風を通したい日は開ければいい。開けられない日でも、空気は静かに入れ替わっている」——換気設備は、そんな“見えない安心”を担う存在だと考えています。機種の選定やフィルターの手入れのしやすさも含めて、一級建築士が在籍する設計チームがご相談をお受けします。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市です。
Qよくある質問
第一種換気と第三種換気は何が違いますか?
熱交換率90%とは、どういう意味ですか?
第一種熱交換換気の電気代はどのくらいかかりますか?
メンテナンスは大変ですか?
DAIYAHOMEではどの換気システムを採用していますか?
- 住宅の24時間換気は建築基準法で義務。換気回数0.5回/h以上が必要で、選ぶのは「方式」
- 第一種は給気も排気も機械。天候に左右されにくく、熱交換とフィルターが使える
- 熱交換率90%の機種なら、換気で捨てる熱を約10分の1に抑えられる考え方
- 電気代は消費電力1Wあたり年間約272円。20W級ならおよそ5,400円/年が目安
- 効果を出す土台は気密(C値)。断熱性能が高い家ほど、換気の質が効いてくる
- DAIYAHOMEは澄家(第一種)とルフロ400(第三種ダクト式)を基本採用。基礎断熱×基礎内換気の徹底が選定の軸