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愛媛の台風対策|屋根・外壁・シャッターの選び方

2026.09.29

愛媛の台風対策|屋根・外壁・シャッターの選び方(DAIYAHOMEコラムのアイキャッチ)

台風の進路予報が瀬戸内に向くたび、雨戸を閉め、庭の物を片づけ、風の音に耳をすませる——愛媛で暮らしていれば、毎年のように繰り返す時間です。そして翌朝、近所の屋根や外構を見て「うちは大丈夫だろうか」と考える方も多いのではないでしょうか。

この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、これから家を建てる方のための台風対策を、屋根・外壁・窓(シャッター)という3つの部位に分けて整理します。制度や基準の数字も、根拠のあるものだけを挙げて解説します。

結論

台風に強い家は、「屋根が飛ばない・外壁から水が入らない・窓が割れない」の3点セットで考えます。愛媛県の基準風速は34m/s。なかでも見落とされやすいのが窓で、ガラスが割れて室内に風が入ると、屋根まで危険にさらされます。屋根材の種類選び以上に「留め付け方」と「開口部の守り」が効きます。

01愛媛の家が受ける風|基準風速34m/sという前提

家の設計では、風を「風圧力」という力に置きかえて計算します。その出発点になるのが基準風速(Vo)です。市町ごとに定められており、全国では30〜46m/sの範囲、愛媛県は34m/sとされています(平成12年建設省告示第1454号)。これは地上10mの高さでの10分間平均風速で、おおむね50年に一度の暴風を想定した値です。

ここで大切なのは、「34m/sが吹く」ではなく「平均34m/sの風が吹く地域」という意味だということ。気象庁によると、瞬間風速は平均風速の1.5倍程度、大気の状態が不安定なときは3倍を超えることもあります。つまり体感としては、これを大きく上回る突風が家に当たる前提で考える必要があります。

風が家に与える3つの力風① 押す力(正圧)壁・窓を内側へ押す② 引く力(負圧)屋根・軒先を吹き上げる③ 飛来物瓦・看板・小石が窓に当たる※風は建物を押すだけでなく、屋根の上を流れることで上へ引き上げる力も生む
台風対策は「押す・引く・当たる」の3方向に分けて考えるとわかりやすい

瀬戸内の気候や、四国中央市に吹き下ろす「やまじ風」のような局地風もあわせて知っておくと、土地選びと設計の判断がしやすくなります。あわせて愛媛の気候に合う家とは?瀬戸内の暑さと湿気への対策もご覧ください。

02屋根|2022年から「すべての瓦を緊結」が義務に

台風被害でまず思い浮かぶのが、屋根材の飛散でしょう。実はこの分野は、ここ数年で基準が大きく変わりました。

2022年1月1日から、瓦屋根の仕様基準が改正されました(昭和46年建設省告示第109号の改正)。業界団体がまとめた「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」の仕様が義務化され、緊結する箇所が「すべての瓦」に拡大。軒とけらばは3本のくぎ等、むねはねじ、平部はくぎ等で留めることが定められています。改正前は、軒・けらば・むねの端部から2枚までと、平部は1枚おきの緊結でした。

瓦の緊結箇所はこう変わった(2022年1月1日〜)改正前端部と1枚おき改正後すべての瓦■ 色つきが緊結する瓦。改正後はすべての瓦をくぎ・ねじで留める仕様が義務に■ 軒・けらば=3本のくぎ等/むね=ねじ/平部=くぎ等
これから新築する家は、この基準で施工されます(既存住宅の改修では確認が必要)

きっかけは、2019年の房総半島台風などで瓦屋根の被害が多発したことでした。被害を受けた屋根の多くが瓦屋根で、当時の緊結規定の対象外だった部分から被害が広がった一方、ガイドライン工法で葺かれた屋根は被害が少なかったと報告されています。

では金属屋根なら安心か——というと、ポイントは同じです。屋根の耐風性は「材料の種類」より「下地への留め付けと納まり」で決まります。特に注意したいのが軒先とけらば(屋根の端部)です。風は屋根の上を流れるときに強い負圧(吹き上げる力)を生み、その力は端部でいちばん大きくなります。

庇屋根を支える化粧柱と、濃色の瓦を葺いた軒先。木と黒のコントラストが和風の外観を引き締めている
軒先まわりのディテール(西条市・当社施工)。深い軒は日射を遮る一方、風の吹き上げも受ける部位

深い軒は夏の日射対策や外壁を雨から守る効果があり、当社でもよく採用しますが、その分だけ吹き上げの力も受けます。軒を出すなら、構造と納まりをセットで検討するのが前提です。軒の役割については軒の深い平屋のメリットとは?夏の日射対策と外観デザインで詳しく解説しています。

03外壁|暴風雨は「横から降る雨」。通気層と窓まわりが要

台風のもうひとつの顔が、雨です。それも上から落ちてくる雨ではなく、横殴りに壁へ叩きつける雨。ふだんは濡れない部分にまで水が回ります。

ここで効くのが、外壁の二重構造です。外装材(窯業系サイディングやガルバリウム鋼板)が一次防水を受け持ち、その裏側の透湿防水シートが二次防水として最後の砦になります。さらに両者のあいだに通気層を設けることで、入り込んだ水を下へ抜き、湿気を上へ排出できます。

軒先と雨樋のディテール。木目の軒天とグレーの外壁
軒先と雨樋のディテール(当社施工)。屋根から落ちる雨をさばく雨樋と、外壁の取り合い部分

いちばん水が入りやすいのは、サッシまわり・換気フードまわり・配管の貫通部といった「穴をあけた場所」です。防水テープの張り順やシーリングの打ち方——図面に描ききれない施工の精度が、そのまま雨漏りリスクに直結します。通気層と防水の仕組みは壁内結露とは?原因・対策と外壁通気層の仕組みでも触れています。

打合せで聞いておきたいこと
  • 外壁は通気構法か(外装材の裏に通気層があるか)
  • 透湿防水シートの種類と、サッシまわりの防水の手順
  • 屋根の留め付け方法と、軒先・けらばの納まり
  • 雨樋の容量と、屋根形状に対する落とし口の数

04窓・シャッター|割れると屋根まで危ない

屋根と外壁の話をしてきましたが、実は台風対策でいちばん優先度が高いのは窓です。理由は、窓が「被害の入口」になるからです。

強風時、家の外側には風が押す力と引く力が同時に働いています。そこで飛来物が当たってガラスが割れると、室内に一気に風が吹き込み、内側から屋根や天井を押し上げることになります。窓を守ることは、屋根を守ることでもあるのです。

窓が割れると何が起きるか窓が守られている室内の圧力は安定→窓が割れる室内の圧力が上がり屋根を押し上げるだから窓の守り=屋根の守り
開口部の対策は、家全体の被害を小さくするための土台になる
人工芝の庭に面した掃き出し窓の大開口。石目調の外壁と木目のアクセントウォールのあるテラス
庭に面した掃き出し窓(当社施工)。開放感のある大開口ほど、守り方をあらかじめ決めておきたい

もっとも確実なのは、シャッターや雨戸で物理的に覆うことです。建具の耐風圧性はJISの試験方法に基づく等級で表され、S-1(800Pa)からS-7(3,600Pa)まで区分されています。住宅用の窓シャッターにも耐風性能を高めたタイプがあり、メーカーによって対応できる風圧が公表されています。

ただし、全部の窓にシャッターを付ければ費用も上がり、外観や採光にも影響します。現実的には優先順位をつけます。

シャッターを優先したい窓
  • 道路や隣地に近く、飛来物が当たりやすい面の窓
  • リビングの大開口(割れたときの影響がいちばん大きい)
  • 寝室など、就寝中に割れると危険な部屋の窓
  • 2階の風を受けやすい面(足場がなく後から対策しにくい)

ガラス自体に飛散防止フィルムを貼る方法もありますが、覆ってしまうシャッターに比べれば補助的です。「どの窓を守り、どの窓は割り切るか」を設計段階で決めておく——これが後悔しないコツです。

05耐風等級と外構|設計で選べる強さ、別に考える部分

建物本体の強さは、住宅性能表示制度の耐風等級で表せます。等級1は「500年に一度程度発生する暴風による力で倒壊・崩壊せず、50年に一度程度発生する暴風による力で損傷しない」程度、等級2はその1.2倍の力に耐える程度と定められています。等級1が建築基準法レベル、等級2がその上の選択肢というイメージです。

押さえておきたいのは、耐風等級が躯体(構造)の指標だということ。屋根ふき材が飛ぶか、窓が割れるか、カーポート・フェンス・物置・太陽光の架台はどうかは、それぞれ別に検討が必要です。外構は飛んでしまえばご近所の被害にもつながります。カーポートには耐風圧強度の表示があるので、価格だけで選ばないことをおすすめします。

地震と風はまったく別の力ですが、「どの災害に、どこまで備えるか」を整理して考える点は共通しています。南海トラフに備える家づくり|愛媛で考えるべき4つのこともあわせてご覧ください。

DAIYAHOMEならどうか

DAIYAHOMEの構造は在来軸組工法です。多くのお住まいで耐震等級3を取得しており(近年の実績で約8割)、制震ダンパーもご予算とご希望に応じて採用しています。屋根は瓦・金属のいずれも、外壁はガルバリウム鋼板も窯業系サイディングも施工実績があり、「台風に強い形にしたいから、この屋根とこの外壁で」という組み立てが可能です。

そしてDAIYAHOMEでは、色・建材・メーカーをほぼすべての建材から選べます。標準仕様の中から選ぶだけではないので、「南側の大開口と寝室にはシャッター、北側の小窓はなし」といった判断を、窓1つずつ相談しながら決められます(選んだものにより金額は変わります)。打合せの回数に制限はなく、何回でも無料。契約前にじっくりプランを固められるので、台風対策のような「予算と安心のバランス」をゆっくり話し合えます。

新居浜市の平屋注文住宅の外観。ラップサイディングの外壁と片流れの屋根、土間コンクリートの駐車スペース
当社施工の平屋。屋根形状・軒の出・窓の配置は、性能とデザインの両面から検討します

施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。台風の後で「雨樋がずれた」「シャッターの動きが渋くなった」といったご連絡があれば、1年・2年・5年・10年の定期メンテナンス以外の期間でも、メンテナンス社員が無料で訪問します。建具の調整など社員が対応できる軽微な補修は無償、機器や部品の交換・専門業者の手配が必要なものは実費を頂く仕組みです。台風のたびに相談できる相手が地元にいることは、性能の数字と同じくらい大切だと考えています。

家づくりの取り組みはDAIYAHOMEの進行中プロジェクトでも公開しています。

Qよくある質問

愛媛で家を建てるとき、どのくらいの風を想定すればよいですか?
建築基準法では市町ごとに「基準風速」が定められており、愛媛県は34m/sです(平成12年建設省告示第1454号)。これは地上10mでの10分間平均風速で、おおむね50年に一度の暴風を想定した値です。さらに気象庁によると瞬間風速は平均風速の1.5倍程度、大気の状態が不安定なときは3倍を超えることもあります。つまり瞬間的にはこれを大きく上回る風が吹く前提で、屋根・外壁・窓を考えておく必要があります。
台風に強い屋根材は瓦とガルバリウム鋼板のどちらですか?
材料そのものよりも「留め付け方と下地」で決まります。瓦屋根については2022年1月1日から仕様基準が改正され、緊結箇所がすべての瓦になりました(昭和46年建設省告示第109号の改正)。金属屋根も、下地への留め付けピッチと板金の納まりが性能を左右します。どちらを選んでも、正しい工法で施工されているかが本質です。
シャッターはすべての窓に必要ですか?
必須ではありませんが、優先順位をつけて選ぶことをおすすめします。飛来物が当たりやすい道路側、風を受ける面の大開口から検討すると費用対効果が高くなります。建具の耐風圧性はJISの試験方法に基づきS-1(800Pa)からS-7(3,600Pa)の等級で表され、住宅用の窓シャッターでは耐風性能を高めたタイプも選べます。採光やデザインとのバランスを見ながら、窓ごとに決めていくのが現実的です。
耐風等級2を取れば台風対策は万全ですか?
耐風等級は建物の構造躯体が暴風に耐える性能の指標です。等級1は500年に一度程度の暴風で倒壊・崩壊せず、50年に一度程度の暴風で損傷しない程度、等級2はその1.2倍の力に耐える程度とされています。ただし屋根ふき材の飛散、窓ガラスの破損、カーポートやフェンスなどの外構は別に考える必要があります。躯体・屋根・開口部・外構をセットで検討することが大切です。
まとめ
  • 愛媛県の基準風速は34m/s。瞬間風速は平均の1.5倍程度になるため、それを上回る突風を前提に考える
  • 屋根は2022年1月からすべての瓦を緊結する仕様が義務化。材料より「留め付けと軒先・けらばの納まり」が効く
  • 外壁は通気層+透湿防水シートの二次防水と、サッシまわりの施工精度が横殴りの雨を止める
  • 優先度がいちばん高いのは窓。割れると室内の圧力が上がり屋根まで危険になる。シャッターは窓ごとに優先順位をつけて選ぶ
  • 耐風等級は躯体の指標。屋根ふき材・開口部・カーポートなどの外構は別に検討する

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【本記事について】2026年9月時点の情報に基づいて作成しています。基準風速は平成12年建設省告示第1454号(愛媛県「風圧力(地表面粗度区分・基準風速)」のページで県内の値を公表)、瓦屋根の仕様基準の改正は昭和46年建設省告示第109号の改正および国土交通省「瓦屋根の仕様基準の改正について」、耐風等級は国土交通省の住宅性能表示制度(評価方法基準)、瞬間風速と平均風速の関係は気象庁の資料、建具の耐風圧性の等級区分はJISの試験方法に基づく区分をもとにしています。制度・基準は変更される可能性があるため、最新情報は必ず公式サイト等でご確認ください。個別の商品の耐風圧性能は各メーカーの公表値をご確認ください。掲載写真はすべて当社の施工事例・施工現場で撮影した実際の写真です。

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