樹脂サッシとアルミ樹脂複合、どちらを選ぶ?窓で決まる家の断熱|愛媛の注文住宅
2026.09.02
「サッシは樹脂と、アルミ樹脂複合、どっちがいいんですか?」——打合せの席でとてもよくいただくご質問です。カタログには聞き慣れない言葉と数字が並び、悩まないほうが不思議です。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、2つのサッシの違いと、どちらを選ぶかの判断のしかたを公的資料の数字とあわせて整理します。読み終わるころには、カタログの見るべき場所が1か所に絞れているはずです。
断熱性能は樹脂サッシが有利、価格とフレームの細さではアルミ樹脂複合が有利。ただし優劣は素材名では決まりません。見るべきはその窓の熱貫流率(U値)という1つの数字と、家全体の断熱等級です。
01家の熱は、ほとんど窓から出入りしている
前提をひとつ。壁や屋根にどれだけ断熱材を入れても、窓が弱いと家全体の性能は頭打ちになります。窓は壁に開けた「穴」で、いちばん熱が出入りしやすい場所だからです。日本建材・住宅設備産業協会の資料では、住宅の熱の出入りはこう示されています。
冬に暖めた熱の58%が窓などの開口部から逃げ、夏は入ってくる熱の73%が開口部から。窓は、真っ先に手をかける価値のある部位なのです。

02樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシ|構造の違い
2つの違いは、ガラスではなくフレーム(枠)の素材にあります。
樹脂サッシは室外側から室内側まですべてが樹脂(主に塩化ビニル樹脂)。アルミ樹脂複合サッシは、雨風や紫外線に当たる室外側にアルミ、室内側に樹脂を使ったハイブリッド構造です。
なぜ素材で性能が変わるのか。理由は熱伝導率の差です。塩ビ工業・環境協会などの資料によれば、樹脂の熱伝導率はアルミの約1000分の1とされています。アルミは軽く強く加工しやすい素材ですが、同時に「熱をよく伝える」金属でもあるのです。
ただしアルミ樹脂複合=性能が低い、ではありません。室内側を樹脂にした時点で、かつての「全部アルミ」のサッシとは別物です。近年は各メーカーが高断熱ガラスと組み合わせた高性能タイプを出しています。
03数字で比べる|熱貫流率と「窓の★表示」の読み方
では、どう比べるか。答えはシンプルで、熱貫流率(U値)という1つの数字を見ます。窓の内外に1℃の温度差があるとき、1㎡あたり1時間に何ワットの熱が伝わるかを表す値で、小さいほど高断熱です。この数値は国の窓の性能表示制度で★の数に翻訳され、2022年の見直しで★1〜★6の6段階になりました。
大切なのは、同じ「樹脂サッシ」でもガラス構成で数値が変わること。Low-E複層かトリプルか、アルゴンガス入りか、スペーサー(ガラスを支える部材)が金属か樹脂か——その組み合わせで性能は変わります。高性能ガラスを組み合わせたアルミ樹脂複合サッシが、標準的な樹脂サッシを上回ることもあり得ます。
04結露・価格・デザイン|4つの判断軸で整理する
① 断熱性能
同じガラス構成なら樹脂サッシが有利です。フレームを熱が伝わりにくいぶん、窓全体としての数値が下がります。
② 結露のしにくさ
これも一般的には樹脂サッシが有利です。結露は室内の水蒸気が冷えた面に触れて水滴に戻る現象なので、室内側の枠の表面温度が下がりにくいほど起きにくくなります。ただし湿度や換気の状況にも大きく左右されるため、窓だけの問題ではありません(参考:壁内結露とは?原因・対策と外壁通気層の仕組み)。
③ 価格
一般にアルミ樹脂複合サッシのほうが求めやすい価格帯です。窓を樹脂にするか、その差額を断熱材や設備に回すか——正解は1つではなく、暮らし方の優先順位で決まります。
④ デザイン(フレームの見え方)
強度のあるアルミを外側に使えるアルミ樹脂複合サッシは、フレームを細くしやすいのが長所。大きな窓ですっきりした見え方を求める場合、この差が効いてきます。


4つ並べると見えてくるのは、「どちらが上か」ではなく「どこに予算を置くか」という話だということ。数値で確かめたうえで、優先順位に合わせて選ぶのが現実的です。
05愛媛で選ぶなら|夏の日射も同時に考える
愛媛の主なエリアは省エネ基準の地域区分5〜7にあたり、冬の寒さは北海道や東北ほど厳しくありません。それでも瀬戸内の気候で効いてくるのが夏です。
窓には熱貫流率とは別に日射熱取得率(η値)というもう1つの指標があります。「太陽の熱をどれだけ室内に入れるか」の割合です。冬の日射は暖房の味方ですが、夏は大敵。方位によって求める性能が逆になるのが、窓選びの難しさであり面白さです。
実務では、日射を取り込みたい南面と西日の厳しい西面とでガラス仕様を変えます。深い軒やシェードで日射を遮る工夫と組み合わせれば、サッシのグレードを上げなくても体感は変わります(参考:愛媛の夏を涼しく過ごす家づくり)。
そして窓の性能は家全体の断熱等級のなかで意味を持ちます。断熱等級6(愛媛の主なエリアでUA値0.46以下)を目指すなら、壁・屋根・床・窓のバランス設計が前提です(参考:断熱等級6とは?UA値0.46が暮らしをどう変えるか)。
DAIYAHOMEでは、LIXIL「サーモスTW」とYKK AP「APW330」を基本に採用しています。前者はアルミ樹脂複合、後者は樹脂サッシ。どちらも高断熱サッシです。「樹脂かアルミ樹脂複合か」を先に決めるのではなく、断熱等級6(UA値0.46以下)を標準仕様として満たすことを前提に、プラン・方位・ご予算に合わせて窓の仕様を組み立てます。

さらに上を目指したい方には、断熱等級7(UA値0.26以下)をオプションとしてご用意しています。窓の仕様は建物価格に直結するため、打合せでは数値と金額を並べてご説明します。打合せは回数制限なし・何度でも無料。設計は社内の一級建築士が担当します。
施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。1970年の創業から50年以上、地域の気候を見てきた工務店として、愛媛の家にちょうどいい窓をご提案します。
Qよくある質問
樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシの違いは何ですか?
アルミ樹脂複合サッシでも断熱等級6は取れますか?
結露が起きにくいのはどちらですか?
愛媛のような温暖な地域でも高性能な窓は必要ですか?
- 冬に逃げる熱の58%、夏に入る熱の73%が開口部から。窓は費用対効果の高い部位
- 違いはフレームの素材。樹脂の熱伝導率はアルミの約1000分の1とされる
- 比べるのは素材名ではなく熱貫流率(U値)。窓の性能表示は★1〜6の6段階
- 断熱性能と結露は樹脂サッシ、価格とフレームの細さはアルミ樹脂複合が有利
- 愛媛では夏の日射熱取得率と日射遮蔽もセットで考えると効果的