気密測定とは?C値の測り方と目安|実測した家の数値も紹介
2026.10.16
「気密測定、やってもらえますか?」——家づくりの打ち合わせで、こう聞いてみたことはありますか。断熱材の種類や窓の性能はカタログで比べられますが、すき間の少なさだけは、建ててから測らないとわからないからです。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、現場で使われる「気密測定」という言葉を、測り方・測るタイミング・数値の見方までまとめて解説します。当社で実測した家の数値もあわせてご紹介します。
気密測定とは、送風機で家の内外に圧力差をつけ、流れる空気の量からすき間の合計面積を割り出す試験です。結果はC値(相当隙間面積)という数値で表されます。国の省エネ基準にC値の基準値はないため、「測るかどうか」「測った数値を見せてもらえるか」は会社ごとの姿勢が出る部分です。打ち合わせで遠慮なく聞いてみてください。
01気密測定とは?すき間を数値化する試験
気密測定は、建物の窓などに専用の送風機(ブロワ)を取り付け、室内の空気を強制的に出し入れして内外に圧力差をつくる試験です。家にすき間が多ければ、圧力差を保つのにたくさんの空気を送り続けなければなりません。その空気の量から、家中のすき間の合計面積を逆算します。
測り方は日本産業規格 JIS A 2201「送風機による住宅等の気密性能試験方法」に定められています。思いつきで測るものではなく、手順の決まった試験だということです。
結果として出てくるのがC値(相当隙間面積)。単位は cm²/㎡ で、「床面積1㎡あたり何cm²のすき間があるか」を表します。小さいほどすき間の少ない家です。C値そのものの意味はC値0.5以下とは?すき間の少ない家が快適な理由でも解説しているので、あわせてご覧ください。
ちなみにこうした現場の言葉は、私たちスタッフも最初は戸惑いました。基礎工事まわりの用語は新人が躓いた建築用語|基礎工事編にまとめています。

02C値の測り方|9.8パスカルに換算して求める
測定の流れは、意外とシンプルです。
ポイントは、9.8パスカルという弱い圧力差に換算して比べるところ。ただし弱い圧力差のままでは空気の流れが安定しないため、実際の測定では20〜50パスカル程度の範囲で圧力差を段階的に上げながら通気量を測り、その関係式から9.8パスカル時の値を割り出します。どの会社が測っても同じものさしで比べられるよう、手順が決まっているわけです。
測定には立ち会うこともでき、数値が出る瞬間をその場で見ることができます。費用は測定の回数・建物の規模・依頼先によって変わるため、「測るか/何回測るか/費用はどう扱うか」を設計の打ち合わせで確認しておくのがおすすめです。
03C値の目安は?国の基準からは削除された
ここが、意外に知られていないところです。今の省エネ基準や断熱等性能等級には、C値の数値基準がありません。
かつては品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)の省エネ対策等級に相当隙間面積の項目がありましたが、国土交通省の資料によれば2009年(平成21年)の見直しで削除されました。つまり断熱等級6や等級7を取っていても、C値の実測が求められているわけではないのです。
では目安はどう考えればよいか。参考になるのは、自治体が独自に設けている基準です。たとえば福井県の「ふくいエコはぴねす住宅基準」では、相当隙間面積1.0cm²/㎡以下が条件に入っています。国の基準にはないけれど、住まいの質を上げたい側は数値を求めている——という構図です。
そのうえで、数値の大小よりまず見ていただきたいのが次の3点です。
① そもそも測るのか。測らなければ良いも悪いもわかりません。
② 測った数値を見せてくれるか。結果票は現場ごとに出ます。
③ 思わしくなかったとき、どうするのか。手直しできる時期に測っているかどうかが分かれ目です。
04測るタイミングは2回ある|中間測定と完成時測定
気密測定には、大きく2つのタイミングがあります。
中間測定は、断熱材や気密層の施工が終わり、内装下地で隠れる前に行います。配管まわりやサッシの取り合いなど、すき間が生まれやすい部分がまだ目で見える状態なので、数値が思わしくなければその場で手直しできるのが最大の利点です。
完成時測定は、すべての工事が終わってから。住んだ状態に近い数値が確認できる一方、気密層はすでに隠れているため、手直しは簡単ではありません。中間で確かめて直し、完成時に最終確認する——という2回の進め方もあります。

05なぜ測るのか|換気と結露のために
気密は「冬の寒さ対策」だと思われがちですが、実はもう2つ、暮らしに直結する役割があります。
ひとつは換気。24時間換気は「決めた給気口から入って、決めた排気口から出る」ことを前提に計画されています。家のあちこちにすき間があると、空気はそこから好き勝手に出入りし、計画した空気の流れが崩れてしまいます。
もうひとつは結露。室内の湿った空気がすき間から壁の中に入り込むと、壁内結露の原因になります。国土交通省 国土技術政策総合研究所も、内部結露の防止と適切な換気計画のために、一定レベルの気密性能の確保は必要不可欠だとしています。壁の中の結露については【西条市の注文住宅】壁内結露とは?原因・対策と外壁通気層の仕組みで詳しく解説しています。
断熱材の性能はカタログの数値どおりに出ますが、気密は職人の手仕事の結果がそのまま数字に表れます。だから測る価値があるのです。

DAIYAHOMEでは、一部の物件・商品で気密測定を実施し、実際の数値を確認しています(商品仕様によって測定が標準のもの・そうでないものがあります)。全棟で測っているわけではないため、気になる方はぜひ打ち合わせでお伝えください。打ち合わせの回数に制限はなく、何回でも無料です。性能の話も、納得いくまで一緒に整理していけます。
直近の実測例をひとつ。断熱等級7(UA値0.26・BELS取得)で建築中のスタッフ自邸「黒河邸」では、2026年9月4日の工事途中の測定でC値0.17cm²/㎡という数値が出ました(総相当隙間面積34cm² ÷ 実質延べ床面積200.18㎡。測定器の表示は小数第1位までのため「0.2」)。断熱等級7の検証を兼ねて測定した1棟の数値であり、すべての物件で同じ数値をお約束するものではありませんが、仕様と測定結果は断熱等級7の平屋・黒河邸 建築中レポートで全公開しています。
断熱は等級6(UA値0.46以下)が標準仕様で、追加費用はかかりません。基礎断熱を主に採用しているため、床下まで含めて空気を動かせる換気機種を選んでいます。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。現場を見てみたい、測定に立ち会ってみたいというご要望も、お気軽にご相談ください。
Qよくある質問
気密測定とは何をする試験ですか?
C値はどうやって計算するのですか?
C値に国の基準はありますか?
気密測定はいつ行うのが良いのですか?
- 気密測定=送風機で圧力差をつくり、すき間の合計面積を数値化する試験(JIS A 2201)
- C値=総相当隙間面積 ÷ 延べ床面積。圧力差9.8パスカル時の値に換算して求める
- 今の省エネ基準・断熱等性能等級にC値の数値基準はない(2009年に品確法の項目から削除)
- 手直しができるのは中間測定。完成時測定は最終確認の意味合いが強い
- 気密は断熱のためだけでなく、換気の計画どおりの流れと壁内結露の防止のために効く
- DAIYAHOMEは一部の物件・商品で実測。等級7検証中の黒河邸はC値0.17cm²/㎡(当該現場の実測値)