和モダンの家とは?外観・内装のつくり方|愛媛の注文住宅
2026.10.22
「和モダンの家にしたいんです」——打合せでそう伺うことが、この数年でぐっと増えました。ただ、和モダンという言葉はとても幅が広く、思い描いているものが一人ひとりかなり違います。黒い塗り壁の平屋を思い浮かべる方もいれば、畳の間と障子のある落ち着いた住まいを想像する方もいらっしゃいます。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、和モダンの「正体」と、外観・内装それぞれの具体的なつくり方を、実際の施工写真とあわせて整理します。打合せで希望を伝えるときの言葉選びにも、きっと役立つはずです。
和モダンとは、日本の伝統建築がもつ「水平線・自然素材・引き算」を、現代の暮らしと性能に翻訳したデザインです。外観は深い軒・格子・マットな壁素材の3点、内装は木の見せ場・畳の置き方・低い光の3点で決まります。深い軒は夏の日射を遮り、縁側やウッドデッキは庭とつながる——瀬戸内の気候にも理にかなった選択です。
01和モダンとは?「和風」との違いは引き算にある
和風住宅と和モダンは、よく混同されます。大きな違いは「そろえる」か「絞る」かです。
和風住宅は、瓦屋根・柱を見せる真壁(しんかべ)・欄間・床の間といった伝統的な様式をひと通りそろえていく考え方。対して和モダンは、装飾を極力そぎ落とし、和の要素を数点だけ残して現代的な素材と組み合わせる——いわば引き算のデザインです。
では、何を残すのか。鍵になるのが線です。軒や床・壁の見切りがつくる水平線と、格子・柱・梁がつくる垂直線。この2方向の直線が整っているだけで、瓦や欄間がなくても人は「和」を感じ取ります。シンプルでありながら安定感のあるシルエットが生まれるのが、和モダンの強みです。
もうひとつ押さえておきたいのが真壁と大壁という言葉です。柱を室内に見せるのが真壁、柱を壁の中に隠して平らな面にするのが大壁。現代の住宅は断熱・気密の都合から大壁が基本になりますが、大壁でつくりながら、化粧梁や格子など「見せ場」を数点だけ用意するのが、いまの和モダンの定石です。
02外観のつくり方|深い軒・格子・壁素材の3点
外観で和モダンを決めるのは、たった3つの要素です。順番に見ていきましょう。
① 深い軒——和の表情と、夏の日射対策を兼ねる
軒を深く出すと、建物に濃い水平線が走り、壁面に影が生まれます。これが和モダンらしさの中心です。そして軒は、見た目だけの要素ではありません。

国の住宅補助事業では、開口部の日射遮蔽措置として認められる「ひさし、軒等」を、外壁からの出寸法(D)が、軒の下端から窓下端までの高さ(H)の0.3倍以上のものと定義しています(国土交通省の補助事業Q&A)。窓下端までの高さが2mなら、出寸法60cm以上が一つの目安ということです。
瀬戸内の夏は高温多湿で、日射が室内に入ると冷房の効きが落ちます。デザインのためだけでなく、軒は暑さ対策の設備でもあるという感覚で寸法を決めるのが、愛媛で建てるときの考え方です。深い軒については軒の深い平屋のメリットとは?夏の日射対策と外観デザインでも詳しく書いています。
② 格子——目隠し・採光・影を一度に解決する
格子は和モダンにおいて、もっとも費用対効果の高い要素かもしれません。木やアルミの縦格子を一枚立てるだけで、視線は遮りながら風と光は通り、壁面には時間とともに動く影の模様が生まれます。

置き場所の定番は、玄関ポーチ・道路側の窓前・駐車場との境界です。「道路から丸見えで落ち着かない」という悩みと、「外観に和の表情が欲しい」という希望を、同じ一手で解けるのが格子の良さです。
③ 壁素材——マットな質感で、色は3色まで
和モダンの壁は、光沢を抑えたマットな質感が鉄則です。左官調の塗り壁、焼杉や板張り、落ち着いたマット色のガルバリウム鋼板、質感のある窯業系サイディング——いずれも相性がよい素材です。
失敗が少ないのは、外壁の色を2色+木の色1色、合計3色までに絞ること。チャコールグレーや黒に木の軒天、白い塗り壁に焼杉の板張り——こうした組み合わせは、要素が少ないほど凛とした印象になります。素材ごとの特徴は焼杉・板張り外壁の魅力とは?メンテナンスの実際と長持ちする条件、ガルバリウム外壁の人気色は?色選びで失敗しないコツもあわせてご覧ください。
03内装のつくり方|木の見せ場・畳・低い光
内装も、考え方は外観と同じ「引き算」です。木をたくさん使えば和モダンになる——というわけではありません。
木は「面」ではなく「見せ場」に使う
木をあちこちに使うと、かえって雑多な印象になります。効くのは、見せ場を2〜3か所に決めて集中させるやり方です。天井の一部だけを木張りにする、化粧梁を1本見せる、建具の枠や框(かまち)に濃い木色を使う。残りの壁は白やグレーの塗り壁調でおさえる。そうすると、木の存在感が引き立ちます。

畳は「独立和室」か「畳コーナー」か
和モダンに畳は必須ではありませんが、あると空気が一段落ち着きます。選択肢は大きく2つです。
- 独立和室(4.5〜6畳)……来客の宿泊、仏間、将来の寝室として使える。引き戸で閉じられる安心感が大きい
- LDK内の畳コーナー(3畳ほど)……洗濯物をたたむ、子どもを寝かせる、昼寝する。小上がりにすれば段差が腰掛けにもなり、床下を引き出し収納にできる
和モダンらしく見せるコツは、畳の選び方にもあります。縁(へり)のない正方形の「目積(めせき)」畳を市松に敷くと、伝統的な和室よりぐっと現代的な表情になります。色も、い草色のほかにグレーやベージュを選べます。
光は「高い位置から」より「低い位置から」
和の空間は、障子越しのやわらかい光や、床に近い行灯(あんどん)の明かりで成り立ってきました。これを現代の住宅に翻訳すると、天井の真ん中に明るいシーリングライト1灯ではなく、間接照明やブラケットで低い位置から光を重ねるという方法になります。
天井高も効きます。建築基準法施行令では居室の天井の高さは2.1m以上と定められていますが、和モダンでは「高い場所」と「あえて低く落ち着かせた場所」を混ぜるのが設計のおもしろいところ。LDKは天井を上げて開放的に、畳コーナーや玄関の入りは少し低く——その落差が、和の居心地をつくります。
04和モダンと相性のよい間取り|平屋・土間・縁側
和モダンは、間取りの形とも深く結びついています。相性がよいのは次の3つです。
① 平屋。和モダンの主役は軒がつくる水平線ですから、屋根が低く長く伸びる平屋はそのまま持ち味になります。庭や外構との距離も近く、内外のつながりをつくりやすい形です。L字やコの字に振ると、軒の下に半屋外の居場所が生まれます(コの字・L字の平屋とは?形で変わる暮らしやすさ)。
② 土間。玄関からそのまま続く広い土間は、かつての日本家屋の作業場の現代版です。自転車やアウトドア用品を置く、ベンチを据えて来客と立ち話をする——使い方の自由度が高く、タイルや洗い出し仕上げの質感が和の表情にもつながります。

③ 縁側・ウッドデッキ。軒の下に縁側状のデッキを設けると、室内と庭の間に「どちらでもない場所」ができます。雨の日に窓を開けていられる、夏の夕方に腰掛けられる。和モダンでもっとも暮らしに効く部分かもしれません。素材の選び方はウッドデッキとタイルデッキ、どちらを選ぶ?費用と手入れの違いで比較しています。
こうした「素材と光のつくり方」は、図面だけでは学びきれません。当社では設計スタッフが実際の建築を見て回る社内研修も行っています(建物探訪ツアー(社内研修)のレポート)。
05和モダンで後悔しないための4つの注意点
最後に、打合せの段階で決めておきたいポイントを整理します。
- 木部は「雨の当たらない場所」に寄せる……軒天・玄関ポーチ・格子など、直接の雨掛かりが少ない部位に木を使うと、塗り替えの負担が小さくなる
- 経年変化を「許容する/しない」を決める……木は日焼けして色が変わる。味と捉えるなら無塗装や自然塗料、色を保ちたいなら塗装の計画を先に立てる
- 格子のピッチは「掃除」も含めて考える……細く密な格子は美しいが、埃がたまる。手が入る隙間かどうかを現物で確認する
- 外構までセットで考える……和モダンは砂利・石・植栽の効果が大きい。建物だけ和モダンで外構が後回しになると、完成時の印象が半分になってしまう
加えて、デザインと性能は切り離さないことが大切です。大きな窓や深い軒、吹き抜けのある和モダンを気持ちよく成立させるには、断熱と窓の性能が土台になります。意匠から考えはじめた家でも、温熱の検討はセットで進めてください。
DAIYAHOMEが手がけるテイストは、シンプルモダン・和モダン・ホテルライク・南欧風・西海岸風。和モダンは主力のひとつで、施工実績の多く(7割超)が平屋という点も、水平線を主役にする和モダンと噛み合っています。
そして、和モダンでいちばん効いてくるのが素材を選べるかどうかです。DAIYAHOMEは規格プランから選ぶのではなく一邸ごとにゼロから設計する完全自由設計で、色・建材・メーカーをほぼすべての建材から選べます。塗り壁の質感、焼杉にするか板張りにするか、格子を木にするかアルミにするか、畳の色と目積の向き——「標準仕様の中から近いものを選ぶ」のではなく、思い描いた質感そのものを探せるということです(※選んだものにより金額は変わります)。
打合せの回数に制限はなく、何回でも無料。素材のサンプルを並べて迷う時間も、和モダンの家づくりではとても大事な時間だと考えています。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。断熱等級6を標準仕様(UA値0.46以下・追加費用なし)としているので、深い軒や大きな窓のある和モダンも、夏涼しく冬暖かい性能とセットで計画できます。
Qよくある質問
和モダンと和風住宅の違いは何ですか?
和モダンの家に和室は必要ですか?
深い軒は何センチくらい出せばよいですか?
木を使った外観はメンテナンスが大変ではありませんか?
- 和モダンは和風の省略版ではなく、水平線・自然素材・引き算で和を立ち上げるデザイン
- 外観は深い軒・格子・マットな壁素材の3点。色は外壁2色+木1色の3色までが失敗しにくい
- 軒は意匠と性能が一致する部位。国の補助事業では出寸法D≧窓下端までの高さH×0.3が日射遮蔽措置の目安
- 内装は木を見せ場に集中させ、畳は独立和室か3畳ほどの畳コーナーで。光は低い位置から重ねる
- 平屋・土間・縁側と相性がよい。外構までセットで計画すると完成時の印象が大きく変わる