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断熱材の種類と選び方|グラスウール・セルロース・吹付を比較

2026.09.01

断熱材の種類と選び方の記事アイキャッチ。吹付断熱を施工した住宅の壁と天井の現場写真

「断熱材って結局どれがいいの?」——家づくりの打ち合わせで、グラスウール、セルロース、吹付……とカタカナが並び始めて、正直よく分からなくなってしまった。そんな声をよくいただきます。

この記事では、西条市の工務店DAIYAHOMEが、主な断熱材の違いを数字で比較し、後悔しない選び方を整理します。実際の施工現場の写真とあわせて、カタログには載っていない「性能を決める本当のポイント」までお伝えします。

結論

断熱材は大きく「繊維系」と「発泡プラスチック系」の2グループに分かれ、素材ごとの熱の伝わりやすさ(熱伝導率)には確かに差があります。ただし家の断熱性能を決めるのは素材名ではなく、「熱伝導率 × 入れられる厚み」=熱抵抗値と、すき間のない施工です。素材を選ぶ前に、この2つを確認してください。

01断熱材は大きく2種類|繊維系と発泡プラスチック系

住宅で使われる断熱材は種類が多く見えますが、仕組みで分ければ2つのグループしかありません。

繊維系は、細い繊維を絡み合わせて、その間に動かない空気を閉じ込めるタイプ。グラスウール(ガラス繊維)、ロックウール(岩石・スラグ)、セルローズファイバー(古紙)などが該当します。発泡プラスチック系は、プラスチックを発泡させて無数の細かい気泡に空気やガスを閉じ込めるタイプ。吹付硬質ウレタンフォーム、ポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどです。

どちらも「動かない空気(またはガス)をどれだけ細かく閉じ込められるか」で断熱するという原理は同じ。そのうえで、価格・防火性・湿気への強さ・施工方法が異なります。

02主な断熱材の熱伝導率を比較する

素材の性能を表すのが熱伝導率(λ/単位:W/(m・K))です。数値が小さいほど熱を伝えにくい=断熱性能が高いことを意味します。主な断熱材の代表的な数値を並べると、次のようになります。

主な断熱材の熱伝導率(W/(m・K)・代表値)フェノールフォーム0.019〜0.020高性能グラスウール24K0.036高性能グラスウール16K0.038ロックウール0.038セルローズファイバー0.040吹付ウレタンA種30.040
バーが短いほど熱を伝えにくい。数値は業界団体・メーカー公表の代表値(製品により差があります)

数字だけを見れば、発泡プラスチック系のフェノールフォームが頭ひとつ抜けています。一方で、高性能グラスウール・ロックウール・セルローズファイバー・吹付ウレタン(A種3)は0.036〜0.040の範囲に収まっており、この4つの差はごくわずかだと分かります。

ちなみに国土交通省の資料でも断熱材は熱伝導率の値で区分けされており、0.040〜0.035が「区分C」、0.045〜0.041が「区分B」、0.050〜0.046が「区分A-2」といった具合に整理されています。つまり素材名ではなく数値で扱われているというのが、制度上の考え方です。

03熱伝導率だけで選ばない|厚みを含めた熱抵抗値で見る

ここが、断熱材選びでいちばん誤解されやすいところです。実際の家の断熱性能を決めるのは、素材の熱伝導率だけではなく熱抵抗値(R値/単位:㎡・K/W)。計算式はシンプルで、熱抵抗値=厚さ(m)÷熱伝導率です。

熱抵抗値2.5㎡・K/Wを確保するのに必要な厚みフェノールフォーム(0.020)50mm高性能グラスウール16K(0.038)95mm吹付ウレタンA種3(0.040)100mm※厚さ(m)=熱抵抗値×熱伝導率で計算。実際の壁では下地や仕上げ材の熱抵抗も加わります
熱伝導率が小さいほど薄く済む。裏を返せば、厚みを確保できれば繊維系でも同じ熱抵抗値に届く

たとえば熱抵抗値2.5㎡・K/Wを目標にすると、フェノールフォームなら50mm、高性能グラスウール16Kなら95mm、吹付ウレタンA種3なら100mmが必要です。柱の太さの中に十分な厚みを取れるなら、繊維系でも高い熱抵抗値に到達できるということです。

逆に、屋根の勾配や納まりの制約で厚みを取れない部位では、薄くても性能が出る発泡プラスチック系が有利になります。部位ごとに向き不向きがある——これが実務の感覚です。壁の中と外の両方で断熱する考え方はダブル断熱とは?外張り+充填断熱の違いとメリットで詳しく解説しています。

04性能を決めるのは施工品質|現場写真で見る3つのポイント

カタログの数値がそのまま家の性能になるわけではありません。実際の現場でどう納めるかで、結果は大きく変わります。当社の施工現場の写真で見てみましょう。

柱と間柱の間に袋入りの高性能グラスウールをすき間なく充填した壁の施工中の様子
グラスウールの充填断熱(当社施工現場)
断熱材の室内側に張った防湿・気密シート。柱と間柱の上から連続して張り上げた壁の施工中の様子
室内側に連続して張った防湿・気密シート

① すき間をつくらない。繊維系は、押し込みすぎても、たるませても性能が落ちます。硝子繊維協会の充填断熱施工マニュアルでは、すき間なく充填し、防湿・気密層を連続させることが基本とされています。メーカーの施工マニュアルでも、押し込みすぎて通気層をふさがないよう注意が促されています。コンセントまわりや筋かいの裏など、細かい部分の処理に差が出ます。

② 防湿・気密層を連続させる。右の写真のシートがその役割です。室内の湿気が壁の中へ入るのを防ぐこの層が途切れていると、断熱材が湿気を含んで性能が落ち、壁内結露の原因にもなります。

③ 数字で確かめる。断熱の効き目は、すき間の少なさ(気密=C値)とセットで初めて発揮されます。断熱材の種類が何であれ、施工品質は測って確認するのがいちばん確実です。詳しくはC値0.5以下とは?すき間の少ない家が快適な理由をご覧ください。

05愛媛の家で断熱材を選ぶときの考え方

壁と天井に吹き付けた発泡系断熱材。木の柱や梁の間を隙間なく覆っている施工中の室内
吹付断熱を施工した現場(当社施工)。複雑な形状にも追従しやすいのが特徴

高温多湿な瀬戸内の気候では、断熱と同じくらい湿気への配慮が大切になります。素材ごとの性格を、ざっくり整理しておきます。

グラスウール・ロックウールは価格と防火性のバランスが良く、厚みを確保しやすい部位で力を発揮します。ロックウールは熱伝導率0.038W/(m・K)前後で、燃えにくさに定評があります。セルローズファイバーは熱伝導率0.040W/(m・K)前後で、調湿性と防音性が持ち味。天井は密度25kg/㎥前後、壁・屋根・床は40〜60kg/㎥程度で吹き込む施工です。吹付断熱は現場で発泡させるため、複雑な形状や配管まわりにも追従しやすいのが強みです(連続気泡のA種3と、独立気泡で断熱性の高いA種1H・2Hがあります)。

そして忘れてはいけないのがコストと厚みのバランス。断熱材のグレードを上げても、窓の性能が低ければ全体の熱損失は減りません。予算配分は「断熱材だけ」ではなく、窓・気密・換気を含めた外皮全体で考えるのが正解です。目指す性能の目安については断熱等級6とは?UA値0.46が暮らしをどう変えるかもあわせてどうぞ。

DAIYAHOMEならどうか

DAIYAHOMEでは、壁・屋根の断熱材に吹付断熱またはロックウールを主に採用しています。ただしこれに限定しているわけではなく、物件や商品によってはグラスウール充填+外張り断熱という組み合わせも採用します。実際、現在建築中の断熱等級7の実証実験住宅は、グラスウール充填+外張り断熱の仕様です。

「この断熱材しか使いません」と決め打ちしないのは、部位と目標性能によって最適な素材が変わるからです。断熱工法も基礎断熱を主としながら、ご要望に応じて床断熱も選べます。設計は社内の一級建築士が担当し、ご納得いただくまで何回でも無料で打ち合わせします。

そのうえで断熱等級6(UA値0.46以下)を標準仕様としており、追加費用なしでこの性能からスタートできます。さらに上を目指す方には断熱等級7(UA値0.26以下)もお選びいただけます。一部の物件・商品では気密測定を実施し、施工品質を数値で確認しています。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市です。

Qよくある質問

断熱材はどれが一番いいのですか?
「これが一番」と言い切れる断熱材はありません。熱伝導率だけを見ればフェノールフォームなどの発泡プラスチック系が優秀ですが、価格・厚みの制約・防火性・施工方法との相性で最適解は変わります。大切なのは素材名だけで選ばず、実際に入れる厚みまで含めた熱抵抗値と、すき間なく施工できているかをセットで確認することです。
熱伝導率と熱抵抗値は何が違いますか?
熱伝導率(W/(m・K))は素材そのものの熱の伝わりやすさで、小さいほど高性能です。熱抵抗値(㎡・K/W)は「厚さ(m)÷熱伝導率」で求める、実際に施工した状態での熱の伝わりにくさです。熱伝導率がやや大きい断熱材でも、厚く入れられれば熱抵抗値は同等以上になります。家の断熱性能を比べるときは熱抵抗値で見るのが基本です。
グラスウールは性能が低いというのは本当ですか?
素材の問題ではなく施工品質の問題であることがほとんどです。硝子繊維協会の資料でも、すき間なく充填し、防湿・気密層を連続させて施工することで性能が発揮されると示されています。押し込みすぎによる断熱欠損や防湿層の不連続があると本来の性能が出ません。逆に、正しく施工された高性能グラスウールは熱伝導率0.038W/(m・K)前後の十分な性能を持っています。
愛媛のような温暖な地域でも断熱材にこだわる意味はありますか?
あります。断熱材は冬の寒さを防ぐだけでなく、夏に外の熱を室内へ入れない役割も担います。高温多湿な愛媛の夏こそ効果が出ますし、壁の中の温度差が小さくなることで壁内結露のリスクを下げることにもつながります。断熱材の種類を選ぶこと自体が目的ではなく、目指す断熱等級に必要な厚みを、結露しない納まりで確実に施工することが目的です。
まとめ
  • 断熱材は繊維系(グラスウール・ロックウール・セルローズファイバー)と発泡プラスチック系(吹付ウレタン・フェノールフォーム等)の2グループ
  • 熱伝導率はフェノールフォームが0.019〜0.020と最も小さい。高性能グラスウール・ロックウール・セルローズファイバー・吹付ウレタンA種3は0.036〜0.040とほぼ横並び
  • 比べるべきは熱抵抗値=厚さ÷熱伝導率。厚みを取れる部位なら繊維系でも高性能に届く
  • すき間のない充填と防湿・気密層の連続が性能を左右する。素材より施工品質
  • 断熱材だけを高性能にしても意味は薄い。窓・気密・換気を含めた外皮全体で考える

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【本記事について】2026年9月時点の情報に基づいて作成しています。熱伝導率の数値は、硝子繊維協会・ロックウール工業会・日本セルローズファイバー工業会・ウレタンフォーム工業会など各業界団体および旭化成建材・フクビ化学工業の公表値、断熱材区分は国土交通省の資料をもとにした代表値であり、製品・グレードにより異なります。実際の採用製品の性能は、必ずメーカーの最新カタログでご確認ください。掲載写真はすべて当社の施工事例・施工現場で撮影した実際の写真です。断熱仕様は物件・商品により異なります。

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