ペアガラスとトリプルガラスの違いとは?費用対効果と選び方|愛媛の注文住宅
2026.09.03
「窓はペアガラスで十分ですか? それともトリプルにすべきですか?」——打合せの席でよく聞かれる質問です。ガラスが2枚か3枚か。それだけの違いなのに、見積りの金額も住んでからの体感も変わってきます。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、ペアガラスとトリプルガラスの違いを「メーカー公表の数字」で比べ、愛媛でどこまで必要かの線引きをお伝えします。
性能はガラスの枚数だけでは決まらず、Low-E膜・封入ガス・スペーサー・サッシの枠まで含めた組み合わせでつくられます。愛媛で断熱等級6(UA値0.46以下)を目指すなら高性能なペアガラスでも十分に届きます。トリプルは「全窓一律」ではなく方位と用途で効かせる——これが費用対効果の高い選び方です。
01ペアガラスとトリプルガラスの違い|枚数より「中身」
ペアガラス(複層ガラス)はガラス2枚+中空層1つ、トリプルガラスはガラス3枚+中空層2つ。断面で見ればこれだけの違いです。ただし断熱性能を実際に決めているのは枚数ではなく、次の4要素の組み合わせです。
特に効いているのがLow-E膜。ガラス表面の目に見えないほど薄い金属膜で、放射による熱の移動を反射して抑えます。トリプルでは室内側と室外側の2面に入れる構成が主流で、これが「1枚増えた」以上の差を生みます。
中空層に封じ込めるガスも重要です。LIXILの公表資料では、空気と比べてクリプトンガスは熱の伝わりを約60%、アルゴンガスは約30%抑えるとされています。そして最後に、ガラスを支える枠——サッシの材質が全体の性能を左右します。枠の話は樹脂サッシとアルミ樹脂複合、どちらを選ぶ?をご覧ください。
02数字で比べる|同じサッシでもUw値はここまで変わる
違いを実感する確かな方法は、同じサッシシリーズでガラスだけを変えたメーカー公表値を並べることです。窓の断熱性能は「熱貫流率(Uw値)」で表し、数字が小さいほど熱が逃げにくいという関係になります。
YKK APの樹脂窓「APW330」は複層ガラス仕様が1.31、トリプルガラス仕様が0.99W/(㎡・K)。LIXILの高性能窓「TW」は複層ガラス(アルゴンガス入り)が1.44、トリプルガラス(クリプトンガス入り)が0.98W/(㎡・K)と公表されています。ガラスを変えるだけで3割前後、熱の逃げ方が変わるということです。
この差が家全体に効いてくるのは、窓が「家のいちばん弱いところ」だからです。日本建材・住宅設備産業協会の調べ(1999年の省エネ基準で建てた住宅をモデルにした試算)では、住宅の熱は冬に約58%が開口部から逃げ、夏は約73%が開口部から入ってくるとされています。壁や屋根に比べて面積は小さくても、窓は住まいの熱の主役なのです。
03暮らしの違いは「窓ぎわの寒さ」と「結露」に出る
数字の差は、暮らしのなかで二つの形で現れます。ひとつはコールドドラフト。窓ぎわで冷やされた空気が足元へ流れ落ちる現象で、「エアコンはついているのにソファに座ると足だけ寒い」の正体です。ガラスの室内側の表面温度が高いほど、この不快感は小さくなります。


もうひとつが結露です。冬の朝ガラスの下にたまる水滴は、室内の水蒸気が冷たい面で冷やされて起こります。ガラスの室内側が冷えにくいほど結露は起きにくく、カーテンのカビや木部の傷みも減らせます。目に見える窓の結露以上に怖い壁の中の結露については、壁内結露とは?原因・対策と外壁通気層の仕組みでまとめています。
加えて、ガラスと中空層が増えるぶん遮音性も上がりやすいのがトリプルの副次的なメリットです。
04トリプルの弱点|重さ・日射取得・コスト
では全部トリプルにすればいいのかというと、そう単純でもありません。弱点は3つあります。
① 重くなる。ガラスが1枚増えた重さは、開け閉めの手ごたえに直結します。大きな引き違い窓ほど影響が出やすく、逆にはめ殺し(FIX)窓や高い位置の窓のように開閉しない窓はトリプルと相性がいいといえます。なおLIXILの高性能窓TWでは、中間のガラスに1.3mmの特殊薄板ガラスを使い、断熱性と軽さの両立を図っています。
② 冬の日射取得が減りやすい。ガラスとLow-E膜が増えるほど、太陽の熱も入りにくくなります。冬の南面の窓は暖房費を減らしてくれる「無料の暖房」。ここを遮熱に寄せすぎると、せっかくの陽だまりを手放すことになります。日射のコントロールは愛媛の夏を涼しく過ごす家づくりもあわせてどうぞ。
③ 費用が上がる。ガラス代や、重量に対応する金物・施工の手間が増えるためです。ただし上がり幅はサッシの商品グレード・窓のサイズ・枚数で大きく変わり、「トリプルにすると何%高い」と一律にはお伝えできません。だからこそプランが固まった段階で、ガラス仕様違いの見積りを並べて比べるのが確実です。

05愛媛での選び方|方位と用途で使い分ける
愛媛の主なエリア(地域区分5〜7)で断熱等級6=UA値0.46以下を狙う場合、高性能なペアガラスの窓でも十分に届く範囲です。Low-E+ガス入りの複層ガラスは、すでに高い水準にあります。
そのうえで、トリプルが効くのは次のような場面です。①冬の日射取得を期待できない北面や東西面の大きな窓、②寝室や水まわりなど温度差が気になる部屋、③FIX窓・高窓など開け閉めしない窓、そして④断熱等級7(UA値0.26以下)を目指すとき。この水準になると、窓をトリプルにすることが現実的な選択肢になります。
反対に南面の大きな掃き出し窓は、日射取得型のペアガラスに深い軒や庇を組み合わせて夏の日差しを切る、という設計が愛媛の気候に合いやすい。窓は「全部同じ」にする必要はありません。方位と役割ごとに選び分けることが、そのまま費用対効果につながります。
DAIYAHOMEでは、サッシにLIXIL「サーモスTW」とYKK AP「APW330」を基本に採用しています。この記事で数字を挙げたのと同じ系統の高断熱サッシです。ガラス仕様の標準は商品ラインによって異なるため、実際の組み合わせは打合せのなかでご説明しています。
断熱の全体像としては、断熱等級6(UA値0.46以下)が標準仕様。追加費用なしでこの性能からスタートでき、さらに上を目指す方には断熱等級7もオプションで選べます。詳しくは断熱等級6とは?UA値0.46が暮らしをどう変えるかをご覧ください。

設計は社内の一級建築士が担当し、打合せは回数制限なし・何回でも無料。「この窓はトリプルにする意味があるか」を一枚ずつ一緒に考えられるのが、地域の工務店の強みです。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。
Qよくある質問
ペアガラスとトリプルガラスの違いは何ですか?
トリプルガラスにすると断熱性能はどれくらい上がりますか?
愛媛でもトリプルガラスは必要ですか?
トリプルガラスのデメリットはありますか?
- ペア=ガラス2枚・中空層1、トリプル=ガラス3枚・中空層2。ただし性能はLow-E膜・ガス・スペーサー・サッシの総合力で決まる
- 同じサッシで比べるとAPW330は1.31→0.99、TWは1.44→0.98W/(㎡・K)。ガラスを変えるだけで3割前後の差
- 熱は冬に約58%・夏に約73%が開口部から出入りする。窓は面積以上に効く
- トリプルの弱点は重さ・冬の日射取得・コスト。開閉しない窓や北面と相性がよい
- 愛媛で等級6ならペアでも十分届く。全窓一律ではなく方位と用途で選び分けるのが費用対効果の答え