お客様の声から建材を選び直す|点検アンケートを家づくりに活かす工務店の取り組み
2026.10.24
「床の色は気に入っているけれど、思っていたより傷が目立つ」「この洗面カウンター、毎日拭くのがラクで助かっています」——家の建材の本当の評価は、カタログではなく、住みはじめて何年か経ったお宅のリビングで聞こえてきます。
この記事では、愛媛県西条市の工務店DAIYAHOMEが、定期点検で集めたお客様の声を、次のお住まいの建材選びにどう返していくのかを、制度としての点検の考え方とあわせてご紹介します。
カタログの数値が教えてくれるのは「新品のときの性能」です。5年後・10年後の使い心地は、実際に住んだ方の声にしか書かれていません。だからこそ、点検のたびにアンケートで声を集め、その蓄積で建材を選び直していく——地域工務店だからこそ回せる改善のループです。
01カタログ性能と「暮らしの耐久性」は同じではない
建材のカタログには、耐摩耗性や耐候性の試験値がきちんと載っています。ただし試験は、決められた条件のもとで行われるもの。実際の住まいでは、西日の入り方、ペットの有無、掃除の道具、家族の人数——条件がお宅ごとにまったく違います。
つまり「性能が高い建材」と「このご家族にとって長く気持ちよく使える建材」は、必ずしも一致しないということです。その差を埋める情報は、カタログではなく、実際に数年暮らしたお宅にあります。

新築の打ち合わせでは、どうしても「見た目」と「初期費用」に意識が向きます。けれど引き渡しからの時間が長くなるほど、掃除のしやすさ・傷の目立ちにくさ・色あせ方といった、カタログに書ききれない要素の比重が大きくなっていきます。
02制度が守るのは構造と雨漏り|暮らしの不満は制度の外にある
住宅には、点検とアフターに関する制度の土台があります。品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、新築住宅の構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分について、引き渡しから10年間の瑕疵担保責任が定められています。
長期優良住宅の認定基準(国土交通省)でも、維持保全計画の点検について「建築の完了または直近の点検・修繕から10年を超えない」間隔で行うこと、さらに地震時・台風時には臨時点検を実施することが求められています。
注目したいのは、これらの制度が守っているのが構造と雨漏り、つまり住まいの安全に関わる部分だという点です。一方で「床の傷が気になる」「この建具は開け閉めが重い」といった暮らしの実感は、制度の点検項目には出てきません。だからこそ、工務店が自主的に声を聞きにいく仕組みが必要になります。点検の中身については家の定期点検は何をする?1年・2年・5年・10年点検と暮らしのアンケートでも詳しく解説しています。
03お客様の声が集まりやすい4つの建材
点検でお話を伺っていると、感想が集まりやすい部分には傾向があります。毎日ふれる場所、そして目に入る時間が長い場所です。
① 床材
毎日ふれるぶん、感想が集まりやすい建材です。「掃除機をかけやすい」「椅子の脚の跡がつきやすい」など、素材による差が暮らしの中でくっきり出ます。無垢・突板・シートフロアの違いは床材の選び方|無垢・突板・シートフロアの違いにまとめています。
② 外壁と目地のシーリング
5年・10年と年数が経つにつれて話題になりやすいのが外まわりです。汚れの付き方や色あせ方は、立地や日当たりでも変わります。将来のお手入れ計画は外壁塗装の時期はいつ?素材別のメンテナンス周期もあわせてご覧ください。


③ 水まわりの設備
キッチン・洗面・浴室は、使用頻度が高いぶん評価がはっきりします。「排水口の形が掃除しやすい」といった細部の感想は、メーカーのカタログからは読み取れない情報です。
④ 建具・金物
引き戸の滑り、ハンドルの握り心地、ソフトクローズの効き方。数年使ったあとの建て付けの変化は、点検で実際にさわって確かめます。

04声を「次の家」に活かすための3つの工夫
感想を聞くだけでは、建材の選定は変わりません。次の家づくりへ返すには、集め方にも工夫がいります。
① 毎回、同じ質問で聞く。1年・2年・5年・10年と同じ項目を伺うことで、「何年目から気になりはじめたのか」が見えてきます。年数ごとに比べられる形で残すことが大切です。
② 感想を建材名と結びつけて残す。「床が傷つきやすい」だけでは次に活かせません。どの製品を、どんな暮らし方で使った結果なのかまで残して、はじめて選定の判断材料になります。
③ 「もう一度選びますか」を聞く。不満の有無より判断がはっきり出る質問です。小さな不満があっても選び直す建材は、総合的に良い建材だと分かります。
05依頼先に聞いてみたい3つの質問
工務店を比べるとき、性能値や価格はカタログで比べられます。けれど「建てたあとの姿勢」は、聞いてみないと分かりません。相談会や見学会で、次の3つを聞いてみてください。
・点検のあと、お客様の声をどうやって集めていますか?——口頭で聞くだけか、記録に残しているかで、蓄積の厚みが変わります。
・その声がきっかけで変えた仕様はありますか?——仕組みが回っているかどうかが、この答えに表れます。
・無料で対応してもらえる範囲はどこまでですか?——無償と有償の線引きを、契約前にはっきりさせておくと安心です。
家づくりへの取り組み方は、会社が公開している発信からも見えてきます。DAIYAHOMEの現在の取り組みはDAIYAHOMEの進行中プロジェクトでご覧いただけます。
DAIYAHOMEでは、1年・2年・5年・10年の定期メンテナンスを実施し、各点検のたびにGoogleフォームのアンケートをお送りして回答を蓄積しています。その蓄積を、長持ちする建材・安心できる材料の選定改善に反映してきました。今ご提案している標準仕様は、先に建てられたお客様の声が形になったものでもあります。
アフターの体制も、この声を聞き続けるための仕組みです。永年の訪問メンテナンスは無料で、定期点検以外の期間でも不具合のご連絡をいただければメンテナンススタッフが無料で訪問します。建具の調整などメンテナンススタッフが対応できる調整・軽微な補修は無償、部品交換・機器の取り換え・専門業者の手配が必要なものは実費を頂戴します。保証内容の詳細はご相談時にご説明します。
そして、建材は色・メーカーを含めてほぼすべての建材からお選びいただけます(選んだものにより金額は変わります)。点検で伺った声をふまえた材料をご提案しながら、ご家族の暮らし方に合わせて一邸ごとに決めていく——完全自由設計だからできる進め方です。施工エリアは西条市・新居浜市・四国中央市・松山市。1970年創業、50年以上この地域で建ててきたからこそ、点検でお伺いできるお宅の数が、そのまま家づくりの財産になっています。
Qよくある質問
住宅の定期点検では、どんなことをアンケートで聞かれますか?
住宅の点検は何年ごとに行うものですか?
点検で見つかった不具合の修理は無料ですか?
標準仕様に入っていない建材も選べますか?
- カタログの数値は新品時の性能。5年後・10年後の使い心地は、住んだ方の声にしか書かれていない
- 品確法の10年、長期優良住宅の点検間隔(国の認定基準)が守るのは構造と雨漏り。暮らしの不満は制度の外
- 声が集まりやすいのは床材・外壁とシーリング・水まわり・建具の4分野
- 活かすコツは毎回同じ質問・建材名と結びつけて記録・「もう一度選ぶか」を聞く
- DAIYAHOMEは1年・2年・5年・10年の点検ごとにアンケートを蓄積し、建材の選定改善に反映している